阿津賀志山防塁

阿津賀志山防塁（あつかしやまぼうるい）
福島県伊達郡国見町大木戸他

案内板地図

--西から遠望--

別名	二重堀・阿津賀志山楯
交通	JR東北本線「藤田駅」から徒歩40分。
築城年代	平安時代末期
築城者	藤原泰衡
形式	山城
主な城主	藤原泰衡

1189年(文治5)奥州平泉の藤原泰衡が、源頼朝率いる鎌倉軍を迎撃する為に構築した防塁。
7月19日全国から動員した28万4千騎を大手軍・東海道軍・北陸道軍の3軍に編成した頼朝は鎌倉を出陣し、8月7日伊達郡藤田駅に着陣した。一方泰衡も阿津賀志山に防塁を構築し、異母兄弟の国衡を大将とする金剛別当秀綱ら2万騎を配し、迎撃体制を整えた。
8月8日阿津賀志山と石邦坂で戦闘が開始され、藤原方は懸命に守るが、畠山重忠・小山朝光ら率いる鎌倉方大軍の猛攻を防ぎきれず、秀綱は後方の大木戸へ退いた。8月10日鎌倉方は大木戸へ押し寄せ、激しい戦いが行われるが、鳥取峠から阿津賀志山を北に迂回し、大木戸背後に達した小山朝光が鬨の声をあげて国衡陣所に矢を放つと、混乱した藤原方は戦意を喪失し敗走、秀綱らは討死し、国衡もまた敗走の途中で討たれた。
そして阿津賀志山の敗報を受けた泰衡は、平泉に火を放ち北へ逃れるが、譜代の家臣河田次郎に討たれ、奥州藤原氏は滅んだ。
厚樫山中腹から約4kmに及ぶ長大な防塁で、現在は国道や耕作地造成により部分的に破壊された箇所も多いが、阿武隈川付近まで延びていた。今回は中腹のみの散策だったが、阿武隈川付近にも防塁が良く残されているようである。


厚樫山故戦将士碑	旧奥州道中・国見峠長坂跡①	旧奥州道中・国見峠長坂跡② 現在も一部残されている


経ヶ岡	中腹に立つ案内板	中腹防塁跡①


中腹防塁跡②	南西方面の眺め	義経の腰掛松奥州へ逃れる義経が休息を取った松と伝わる

参考文献　「歴史群像シリーズ　学研」
　　　　　　　　　　　　　　　　「山形・宮城・福島の城郭　新人物往来社」

訪城回数　1

2013年4月