櫛崎城

櫛崎城（くしざきじょう）
山口県下関市長府外浦町

--松崎口石垣・上に民家が建つ--

別名	雄山城・串崎城・長府城・長府陣屋
交通	JR山陽本線「長府駅」からバス「市立美術館前」下車。
築城年代	戦国時代か
築城者	内藤隆春か
形式	山城
主な城主	勝間田氏・毛利秀元・毛利元周

櫛崎城の築城者・年代は不明だが、940年(天慶3)当時西瀬戸内海に勢力を振るった海賊藤原純友の手下とされる稲村平六景家が在城したと伝えられる。伝承の域を出ないが、串崎は海峡の出入口を扼する要衝に位置する事から古くから海賊衆の根拠地となっていたと思われ、何らかの施設が在ったとも考えられる。
「温故私記」に1569年(永禄12)9月、大内氏重臣である長門守護代内藤隆春の家臣勝間田盛長が城番として置かれたとあり、一応内藤氏による築城とされている。
1600年(慶長5)関ヶ原合戦後、毛利氏は防長移封となり、1602年(慶長7)豊浦郡3万6千2百石に封ぜられた毛利秀元が周防国長山城から入城し、雄山城と称された。1615年(元和1)一国一城令により廃城となり、山麓(現在の豊浦高校敷地)に居館が設けられ、幕末まで長府藩庁として続いた。
1863年(文久3)長州藩は攘夷を実行し、関門海峡において外国船と戦いが起こった。当時長府藩主13代毛利元周もこの地に居住していたが、海岸に近く危険な為、6月28日から勝山御殿の築城を開始し、1864年(元治1)1月完工、2月1日に移る。
櫛崎城址には関見台台場と城山台場の2つの砲台が築造されていたが、同年8月、下関戦争で真っ先に砲撃され、瞬く間に破壊された。
北・東・南の三方を海と断崖が取り巻く半島状の要害に築かれている。南西端の本丸跡は関見台公園となり、天守台が復元整備されている。ここから北の豊功神社までが城域で一帯はほとんど宅地化されているが、松崎口に石垣が残されており、城址碑が立つ。


城址碑	石垣①	石垣②


関見台公園	復元された天守台	天守台上

参考文献　「現地案内板」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「鳥取・島根・山口の城郭　新人物往来社」　

訪城回数　2

2017年1月
2019年12月