高津戸城

高津戸城（たかつどじょう）
群馬県みどり市大間々町高津戸

--本丸北東尾根堀切--

別名
交通	わたらせ渓谷線「大間々駅」から徒歩20分。
築城年代	1088年(寛治2)
築城者	山田七郎平吉之
形式	山城
主な城主	山田氏・仁田山里見氏

1088年(寛治2)山田七郎平吉之により仁田山地域城の一砦として築かれたと伝わる。
1351年(観応2)10代山田筑後守則之の時、桐生城主桐生国綱の命を受けた谷直綱に滅ぼされると、1371年(建徳2)里見氏7代義連の3男氏連が国綱の娘を正室に迎え、仁田山八郷を国綱から任された。
1574年(天正2)9月、氏連より4代後の宗連は上杉謙信に攻められ自刃して果てた。この頃宗連の下に身を寄せていた安房国里見氏一族である実堯(勝広)は桐生に移って桐生親綱の客将となるが、2子勝政(随見)・勝安兄弟は上杉謙信に託した。これが親綱に誤解され、自刃させられたという。1577年(天正5)謙信の下に身を寄せていた兄弟は父の仇である石原石見・津布久刑部を討とうと、謙信の援助を受け、廃墟となっていた高津戸城を修復して拠った。そして翌年5月2日、兄弟は20数名で石原石見の用明の砦を夜襲したが、石原石見を取り逃がしてしまった。当寺石原石見は太田金山城主由良国繁に属していた為、国繁の怒りを受け、9月17日、高津戸城は攻められ、弟勝安は討死、兄勝政は城兵の助命を条件に自刃した。そして高津戸城も廃城になったと伝わる。
渡良瀬川が蛇行する東岸、高津戸峡の崖上の標高284メートルの要害山に位置し、要害神社が建つ本丸を中心とし、南尾根と北東尾根にそれぞれ曲輪を設けている。現在高津戸公園として整備されており、改変されている個所も多いが、遺構は比較的良く残されている。また南麓に建つ阿弥陀堂には山田氏・里見兄弟の墓と伝わる南北朝初期のものとみられる五輪塔群が残されている。


南曲輪	竪堀	二の丸


本丸西腰曲輪	本丸に建つ要害神社	本丸東帯曲輪(横堀)


井戸跡	本丸北東尾根堀切	西側を流れる渡良瀬川


伝山田氏・里見兄弟五輪塔群①	伝山田氏・里見兄弟五輪塔群②	南から城址遠望

参考文献　「群馬の古城　あかぎ出版」
　　　　　　　　　　　　　　　　「茨城・栃木・群馬の城郭　新人物往来社」

訪城回数　1

2022年1月