西方城

西方城（にしかたじょう）
栃木県栃木市西方町本城・元

登山口地図
--二の丸虎口--

別名	鶴ヶ岡城
交通	東武日光線「東武金崎駅」から登山口まで徒歩30分。地図の地点、長徳寺から登山道があります。
築城年代	鎌倉時代
築城者	西方貞泰
形式	山城
主な城主	西方氏

1293年(永仁1)宇都宮城主宇都宮景綱の子である泰宗(武茂氏の祖)の子貞泰により築かれたとされるが貞泰の子綱景の説もある。子孫は代々西方氏を称し、宇都宮氏の西端部の防衛拠点として、1532～70年(天文～永禄年間)には後北条氏と結ぶ皆川城主皆川氏や鹿沼城主壬生氏との抗争の接点になった。
1587年(天正15)7代西方綱吉は宇都宮国綱に背いて後北条氏に従った為、国綱に攻められ、捕らわれの身となって獄死し、西方領1万余石は没収された。
1588年(天正16)3月、国綱は佐竹義重の援助を受け、1万5千の大軍を率いて西方城と磯城に布陣し、皆川広照攻めを開始した。広照は諏訪山城まで出陣して迎え撃つが、多勢に無勢で城は落城、真名子から布袋ヶ岡城へ落ち延びた。更に布袋ヶ岡城も宇都宮・佐竹連合軍に攻められ落城、広照は駒岡を固めていた日向野豊後守の陣に退いた。布袋ヶ岡城を落とし、西方城に戻った国綱であったが、壬生義雄の進軍の報を受けると翌朝西方城を発ち、宇都宮城に帰城した為、広照も兵を退いた。
1592年(文禄1)西方綱吉の子である綱清は芳賀郡赤羽の地を与えられたという。
1597年(慶長2)宇都宮氏改易に伴い、西方城は廃城となった。
1600年(慶長5)関ヶ原合戦後、西方に1万5000石の所領を与えられた藤田信吉(重信)は南東麓の支城といわれる二条城に陣屋を構えるが、1615年(慶長20)大坂夏の陣後、改易となっている。
標高221メートル、城山山頂一帯に築かれている。ゴルフ場の造成により一部消滅しているが、遺構は良く残されている。堀・土塁により通路を屈曲、複雑化させ、桝形虎口を多用し、多方面から攻撃出来る技巧的な縄張りが特徴で城域も広大で県下有数の規模を誇り、見所が多い。


北の丸東下水の手	竪堀	北の丸馬出


北の丸	三の丸虎口・土橋	三の丸


三の丸から東側の眺め	二の丸虎口	二の丸虎口脇空堀


二の丸	本丸	本丸水の手


横矢	桝形	南の丸


本丸西下曲輪	井戸曲輪	東の丸へ続く桝形虎口①


東の丸へ続く桝形虎口②	東の丸	東から城址遠望

参考文献　「とちぎの古城を歩く　下野新聞社」
　　　　　　　　　　　「茨城・栃木・群馬の城郭　新人物往来社」

訪城回数　1

2020年12月