亀ヶ崎城

亀ヶ崎城（かめがさきじょう）
山形県酒田市亀ケ崎

--北から城址遠望--

別名	酒田城・東禅寺城
交通	JR羽越本線「酒田駅」から徒歩25分。
築城年代	1478年(文明10)
築城者	武藤(大宝寺)氏
形式	平城
主な城主	志村伊豆守光安

亀ヶ崎城は古くは東禅寺城と呼ばれ、1478年(文明10)大宝寺城主武藤(大宝寺)氏が砂越氏に備える為に築いたとされ、一族が城主として置かれ、東禅寺氏を称した。この東禅寺城の位置については不明な点が多く、またその起源についても諸説あり、明らかではない。
1583年(天正11)尾浦城主武藤義氏は嗣子が無かった為、村上城主本庄繁長の二男千勝(義勝)を跡目とするが、これに反発した東禅寺義長は、庄内掌握を目論む山形城主最上義光と結んで、尾浦城を攻め、義氏を自刃させると、庄内は義光の仕置きとなった。この時尾浦城には義氏の弟丸岡義興が入城するが、その後内紛が起こり、1587年(天正15)再び義光・義長は尾浦城を攻め、武藤氏は滅亡した。
1588年(天正16)上杉景勝を後盾とする本庄繁長が庄内に侵入し、尾浦城に迫った為、東禅寺義長は城を出て東に広がる十五里ヶ原で本庄軍と決戦するが、東禅寺方は敗れ、義長も討死すると、先に武藤家の養子となっていた繁長の二男義勝が武藤家を再興し、庄内は上杉・本庄方の手に落ちた。東禅寺城には繁長自らが入城し、その後上杉氏は川村・甘粕・志駄氏らを東禅寺城に置いた。
1600年(慶長5)慶長出羽合戦後、庄内に攻め込んだ最上義光により東禅寺城は落城し、先の合戦で長谷堂城守将として活躍した志村伊豆守光安が東禅寺城主となる。
1603年(慶長8)酒田に大亀が上がった事から「亀ヶ崎城」と改称され、同時に大宝寺城は「鶴ヶ岡城」、尾浦城は「大山城」と呼ばれるようになる。
1622年(元和8)御家騒動により最上氏が改易となり、信濃国松代城から酒井忠勝が入部すると、鶴ヶ岡城を居城とするが、一国一城令にもかかわらず、亀ヶ崎城も存続し、叔父の松平久恒が城代となる。以後江戸時代を通じて亀ヶ崎城には城代を置いて支配した。
現在の酒田東高校一帯が本丸・二の丸跡とされ、西側に建つ八幡神社との間に土塁が残されているが、大半が市街地に埋もれ、城址の面影はほとんど残されていない。


酒田東高校前に立つ案内板	酒田東高校西側に建つ八幡神社	酒田東高校西側に残る土塁①


酒田東高校西側に残る土塁②	酒田東高校北側	酒田東高校北側を流れる水路


北側を流れる新井田川	旧元米屋町武藤氏時代から貢米を置いた為、米屋町と呼ばれた	旧近江町最上氏時代、川北三奉行であった寺内近江の宅地があった事から近江町と呼ばれた

参考文献　「現地案内板」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「山形・宮城・福島の城郭　新人物往来社」

訪城回数　1

2013年9月